損益分岐点とボトルネック
売上目標は、いくらですか?と尋ねると、
売上目標はありません。売上は、多ければ多い方がいいです。
月商1億円欲しいです。
等というお答えを聞くことがあります。
売上目標はない。
なぜ、売上目標がないのでしょうか?
多ければ多い方がよいのはわかりますが、
損益分岐点があるので、売上目標がないというのは
経営的にどうなんでしょうか?
損益分岐点
損益分岐点が、○○万円で、
利益を××万円ほしいので、売上目標は△△万円です。
という回答が普通だと考えます。
損益分岐点は、費用を変動費と固定費に分解します。
営業利益が0円となるときの売上高が損益分岐点売上となります。
生産能力・稼働率
逆に、月商1億円ほしいです。という回答に対して、
少人数の会社の場合、その商品が手作業であれば
1つの商品を作るのに、
1人5分かかったとして1時間で12個、
1日8時間働いて
1人当たり1日96個が最大の生産数です。
仮に3人で作業をしたとして、
96個×38人=1日288個の生産。
1ヶ月22日稼働として、
288個×22日=6336個が月間の最大生産量です。
1億円÷288個=商品単価15782円となります。
1つ作るのに5分の時間で、他の業務を一切行わず、
ひたすら生産だけした場合の最大生産量で、
販売等に関わる時間はここには含まれません。
高単価のものを販売すれば可能かもしれませんが、
手作業でひたすら製造し続けていたら腱鞘炎になるかもしれません。
ちょっと疲れて休憩もするかもしれません。
この状態で、毎月毎月、月商1億円を稼ぐために
手作業での製造販売を実現することが可能でしょうか?
例えば飲食店の場合、
客席数が30席、平均客単価が3000円で8時間営業した場合、
1日あたり最大で、
3000円×30席×8時間=72万円の売上となります。
月の営業日が25日として、
72万円×25日=1800万円が売上の最大値となります。
8時間営業していても常に満席ということはありません。
アイドルタイムもあると思います。
そうなると、1800万円の売上を実現することが難しくなります。
製造工程で複数ラインがある場合、
最終的なアウトプットを1分間に100個と見込んでいても、
それぞれの設備の最大処理数の上限が100個に満たない設備があると
最終的なアウトプットは100個になりません。

たとえば、
A工程 → B工程 → C工程 → D工程 → 完成
<製造キャパ>
120個 → 80個 → 150個 → 100個
の場合の最終完成品は、80個となります。
B工程がボトルネックとなり、それ以降の工程の処理能力がどれだけあっても
B工程の製造キャパが最大値となります。
ボトルネックとは
ボトルの首の意味で、
作業やシステムなどにおいて能力や容量などが小さく、
全体の能力を制限してしまうことを指します。

目標売上高、生産量が、実現可能かどうか、損益分岐点の計算、モデル化分析、ボトルネックはないか?
複合的に考えた上で数値を使って予測することが重要です。

ネットショップのボトルネック
ネットショップの場合、売上が、急激に上がる時があります。
いきなり、3倍、5倍、10倍の注文が入ったとき、
バックヤードの体制ができてないと、
注文が大量に入っても、対応できず、売上があがらない。
バックヤードがボトルネックになってしまうケースもよくあります。
バックヤードの体制とは、
・受注生産で、生産が追いつかない
・梱包、出荷処理が追いつかない
などがあり、そのうち、お客様からの問い合わせ、クレームの数も増加し、
・顧客対応も追いつかない
と、状態がさらに悪化していきます。
そうなる前に、バックヤード体制を早めに整えておく必要があります。
・スタッフの数は適切か
・受注処理、伝票処理などを手作業で行ってないか
・受注生産の場合でも、できるだけ半製品の状態で準備しておくなど、
1日の生産数を最大化できる工夫はできないか
・受注システムや、CRMシステムなど、できるだけシステム化を行い、
手作業をできるだけなくし、システムで自動化できないか
・出荷等のアウトソーシング化は検討できないか
ネットショップ受注管理システムでよく利用されているものに、
・ネクストエンジン
・クロスモール
があります。
売上、規模が大きくなればなるほど、
製造製品1単位あたりの製造コストや提供コストが
低減する場合は利益率も増加する規模の経済が効く場合、
そうでない事業の場合と
自社の事業構造、コスト構造をしっかり理解せず、人が足りないからといって、、
スタッフの数を増やせば、固定費ばかりが増え、
なかなか利益が増えないということにもなりかねません。
自社の粗利率、損益分岐点を把握しながら、適切な人数を確保するとともに、
費用を変動費化できないかを同時に考え、
システム化やアウトソーシング化も行うことをおすすめします。



